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前立腺癌(がん)の診断

啓林堂クリニック泌尿器科皮膚科 福岡市早良区

前立腺癌(がん)診断のために様々な検査法がありますが、どの検査法にも一長一短があります。いくつかの方法を組み合わせることによって、身体の負担の軽減を考えながら、診断正診率の向上を目指しています。現在では、以下にあげる3方法を組み合わせる場合が一般的です。

触診

肛門より前立腺を触診します。簡単な方法で、なによりコストがかかりません。前立腺の大きさを鶏卵大などと表現します。良性の前立腺肥大症では、全体に弾力性がありますが、前立腺がんの場合は硬く、小さければ結節として、大きければ石様硬として触れます。
触診は主に前立腺後面だけで、前面は触れることができません。

PSA(血液検査)

ほとんどが前立腺(ごく一部に尿道)から分泌される物質です。採血だけですので、専門医だけでなく、内科などでおこなわれたり、検診にも用いられます。PSA基準値は4.0で、前立腺癌の時に上昇する場合が多く、非常に有効な検査法です。
 ただし、上昇したからといって、必ず癌というわけではありません。肥大症や、炎症によっても上昇する場合がありますので、精密検査が必要となります。また、基準値の4.0以下だからといって、がんがないともいえません。あくまでも目安と考えていただいたほうがよいと思います。年齢が低いほどPSAは低い傾向があります。50歳代でしたらPSA 3.0程度を基準値として考えても良いかもしれません。

経直腸的前立腺超音波

前立腺は体の深いところにあるので、一般の腹部超音波(エコー)検査では詳細な検索は困難です。そこで、肛門より専用のプローベ(探触子)を用いて前立腺を描出させる、専用の検査をおこないます。
 前立腺癌は前立腺のどこからでも発生するわけではなく、特に前立腺辺縁域に多く見られます。この超音波では、この区域を中心に、おかしな陰がないかどうかを検索します。もちろん前立腺のその他の部位や、精嚢も観察し、肥大症や炎症の鑑別をおこないます。
 前立腺の体積も計測することができますので、PSA値に対して前立腺の大きさによる補正をおこない、診断率を高める工夫もされます。癌の場合は、前立腺内にとどまったもの(限局性)か、周囲へ広がっているものか(浸潤性)の判断にも用います。

以上主な検査について述べましたが、あくまでも疑わしさを見たもので、最終診断にはなりません。上記検査によって総合的に疑わしいと判断した場合は以下に述べる前立腺針生検を行い、前立腺の組織に実際に癌細胞が含まれているかを判定する必要があります。

系統的前立腺針生検

 肛門より(会陰部からの方法もある)前立腺超音波検査をおこないながら、専用の針を用いて狙ったところから組織を採取します。通常、偏りがないように6カ所の前立腺辺縁域を順番に採取するため、系統的生検と呼ばれます。その他に怪しいところがあれば、1,2カ所追加採取、癌の診断がなかなかつかず複数回針生検を受けられる場合などは、前立腺移行域より追加採取する場合もあります。10カ所以上の針生検を行う施設もあります。
 検査に要する時間は正味10分程度ですが、組織採取に先立ち前立腺を超音波で十分観察する必要があります。また、検査に伴う出血防止や感染予防の処置、あるいは、検査の後の状態を観察するために、全体として1-2時間を必要とする場合もあります。その他、検査中の痛みや肛門の緊張をとるためにあらかじめお尻周囲の麻酔をする場合もあります。

注意点

  • 出血することがあります
    • 肛門からの出血の場合、圧迫や止血剤によってほとんどは消失しますが、まれに入院が必要な場合があります。しばらくの間、尿や精液に血液が混じることがありますが、徐々に解消される場合がほとんどです。
  • 感染を起こすことがあります
    • 前立腺に雑菌が入り、前立腺の腫れと発熱を起こすことがあります。高熱が持続する場合は、入院が必要になることもあります。 このような合併症を起こす頻度は5%以下ですが、検査に際しては、ご理解が必要になります。

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