医療法人啓林堂クリニック 泌尿器科皮膚科 福岡県福岡市早良区原8-2-26 電話092-873-7877

”大人の夜尿症” ”大人のおねしょ”

啓林堂クリニック泌尿器科皮膚科 福岡市早良区

意外と多い大人の夜尿症

 おねしょというと子供を思い浮かべますが、大人で困っておられる方もおられます。
大人の夜尿症は小児期より継続している場合と成人してから出現する2つのタイプがあります。
 多くの子供はおねしょをするものですが、4歳、5歳、6歳と年齢が上がるに連れて自然と治っていく場合が多いものです。小学校になっても続くと学校生活(例えば修学旅行や友人宅へのお泊り)で何かと支障が出てきます。また身体の成長に伴い漏れる量も増加します。中学生思春期にもなると親に相談しなくなり、もちろん友人や学校の先生に打ち明けることもなく、悩みを自分で抱え込むようになります。コンプレックスを抱えたまま人生の一番いい時期「青春時代」を過ごすことになります。
 その後大学生や社会人になって「実は〜」と初めて相談に来られる方が出てきます。ハードな運動部の長期合宿、結婚の予定が控えている等、隠し通すことができなくなる場面に遭遇するようになったのも受診の理由かもしれませんが、今まで親元の保護下で生活をしていた環境から自立する年代になり、自ら治したいと思う積極的な気持ちが強くなっているようにも感じます。
 検査として、まずは小児の夜尿症に準じて行います。特に昼間の尿失禁を伴う場合、大人になってから先天性疾患が発見されることもあります。小児夜尿症が遷延化する原因は単一ではなく様々な要因が内包されていますが、詳細な排尿夜尿記録や診療経験から、睡眠中における排尿抑制中枢の活動が低下若しくは不十分になっている印象を強く持っています。小児と異なり難治性の傾向にありますが、内服薬が著効する例も多くみられます。またメンタルケアにも配慮が必要です。
 一方、小学生以降夜尿症がなかった方が、大人になってから夜尿症を経験する場合もあります。この場合、原因としては糖尿病や神経疾患による膀胱機能障害(神経因性膀胱)、薬剤性、飲酒、無呼吸症候群等様々な基礎疾患が隠れている可能性がありますので、十分な評価が望まれます。基礎疾患が存在すればその治療を優先しますが、詳しい排尿記録を参考に問題点を明確にして適切な生活指導をおこなえば、改善する場合もよく経験します。
 「大人のおねしょ」「大人の夜尿症」は一般社会だけでなく医療関係者の中でもほとんど知られていません。子供ならはずかしくとも親に連れられ医療機関を訪れることもあるでしょう。しかし親との距離が出てくる思春期以降は、自分の心の奥底に夜尿症をしまい込んでいます。また、毎日の夜尿の経験からそれなりの対応(例えば夜間目覚ましをかけトイレにいく、極端な飲水制限等)をして、何とか困らない日常生活を維持している場合もあります。さらに相談する医療機関もありません。これらの理由から、大人の夜尿症は社会的にも潜在化した状態のまま現在に至っているものと考えられます。
 当院では、検査、治療を行いながら、大人の夜尿症に関しての啓蒙活動もおこなっています。

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